輝く海外女性拳士
Suzuko Okamura Hamasaki  -アメリカ編-
京都と浜崎鈴子 No.9

 これからどんな挑戦をされますか?

正直なところ、五十路を過ぎて、“挑戦”という言葉に向かい合う情熱が大分なくなってしまったのは事実です。確かに、20代のカッと熱く燃えたことを思い出すと、残念ですが、それはそれでいいのだと納得しています。そういう訳で、挑戦という言葉には縁遠くなりましたが、まだまだ“”は消えません。夢というのは次から次へと出て来るもので、次のゴールへと私を導き、人生を楽しくさせてくれます。10代、20代、30代、40代と夫々違う夢があり、それを実現して行けたことは大変幸せであったと思っていますが、さて、50代の夢とは?夢というか、こういう風に人生の後半を生きたいと思うのは、情熱的に次世代のために生きた女性を知った時です。

皆さんは澤田美喜さんとういう女性をご存知でしょうか。三菱財閥の創業者、岩崎弥太郎の孫娘として明治後半に生まれ、外交官の夫を持ち、明治・大正の華やかな貴族階級に育った人ですが、終戦後、日本人女性とアメリカ軍兵士の間に生まれた、親からも社会からも見捨てられた混血児の救済のため、エリザベスサンダースホームという施設を作り、命の限り、この子達のために生きた女性です。

私が澤田美喜さんに強く惹かれるのは、その意志の強さ行動力なのです。楽に華やかに一生を送れたはずなのに、自財をつぎ込んで、罪もなく社会からはじき出された子供達を信念に従い面倒を見た、その本物の愛に感動します。また、お金を出すだけでなく、実際に日本―ブラジル間航路の二等室に子供達と一緒に乗船していたという記録を見て、この女性の信念の深さと凄さに胸が震えます。言葉では甘くきれいな事を言っていても実際に行動していない人、あるいは自分だけよければ他人などどうでもいいという情けない人が多い現代社会に、澤田美喜さんのように本当に優しく且つ頑なな意志の大人がいれば、どんなに気持ちよく住み易い社会が作れるだろうか、と思うのです。私は彼女のようにはなれませんが、空手という活動を通じて、多少なりとも子供達の成長の一過程に関われる社会人になりたいと思っています。


最後に読者の皆様へのメッセージをください

忙しい毎日の中で、時間をかけ、このサイトを見て下さった皆さん、本当に有難うございました。そして、この様な素敵なサイトを作って下さった菱木ひろみさんに心から感謝する次第です。

私は28歳の時渡米してから、生活背景も変わり、姓も変わり、仕事も変わり、付き合う人間も変わってきました。その中で、考え方も変わったでしょう。しかし、一つだけ、変わらないものがあります。それは、空手道を愛好していることです。止めたくなった時、壁にぶち当たった時、やっている意味が分からなくなった時、どうしても興味を持てなくなった時等々、止めてしまう要素はいくらでもあったのですが、この道は私を私でいさせ続けてくれました。道衣と帯は、決して私を裏切ることのない友として、いつも私を支えてくれました。

そんな一生の友を持てたことを幸せに思います。と同時に、そんな女性が一人でも多くいてくれるように、私は女性空手愛好家を応援して行きたいと思っています。がんばりましょう。そして、ますます輝け、女性拳士たち!

 
                       浜崎(岡村)鈴子  メール: suzuko@hamasaki.net   

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